東京オペラシティアートギャラリーで『ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー | Takashi Homma New Documentary』を見る。金沢21世紀美術館から始まった巡回展で、プリントのみならず、写真を元にしたシルクスクリーンや絵画、インスタレーションも。
気になったシリーズを選んでみる。まず「Tokyo and My Daughter」は、ホンマタカシ自身がライフワークとして撮り続けている東京の風景とひとりの少女のシリーズで、ギャラリースペースではそれらが混合して展示されている。タイトルとは違い、ここで出てくる少女は、実際にはホンマタカシの娘ではないらしい。いずれにしても、「東京」と「子供」というモチーフは、 「東京郊外 TOKYO SUBURBIA」や「東京の子供」でも分かるように、ホンマタカシが継続して取り組んでいるテーマだよね。
もうひとつ気になるのは北海道・知床でハンターたちととも雪山に入って鹿狩りの痕跡を追った「Trails」というシリーズ。真っ白い雪や小枝に付着する狩猟の痕跡、点在する動物の血痕。写真だけで見ると、生命の残像が白い雪に力強く浮き出てくるものの、「Trails」という同名の絵画作品があることで、映し出された生命の力強さが、あやふやなものになり、不思議な気持ちにさせられる。
これは僕がそう思っているだけかもしれないけれど、どちらかというとこれまでは均質な都市空間の無味無臭なイメージを写真というお皿に盛り込んで、そこに意味を排除してきた印象があった。けれど、前述の「Trails」やマイクミルズとともにマウンテンライオンの生態を追った「Together」を含め、近作を中心に見ていくと、何かそこに表現を感じさせるようなものになっている気がする。
意味の喪失と表現の揺らぎ。シリーズを通して写真って一体なんなのかに迫るっていうことで、これはなかなか面白い個展だったのかもしれない。そうそう、開館時間が節電のため(当面)18時までになっているようなのでご注意を。


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